スコットランドのウイスキーであるスコッチには、シングルモルトスコッチとブレンデットスコッチがあります。この記事の中では初心者にお勧めのブレンデットスコッチを紹介していきます。
シングルモルトとブレンデットの銘柄を比べてみると、シングルモルトに蒸留所名が使用されている事が多いのに対し、ブレンデットは人物の名前を使用しているものが多いのです。
スコッチに倣ってウイスキーを造っているニッカウイスキーもシングルモルトには余市や宮城峡という名がつけられ、ブレンデットには竹鶴という創業者の名がつけられています。
それは何を意味しているのでしょうか。シングルモルトの個性が熟成環境に大きく依存しているのに対し、ブレンデットはブレンダーという人物に大きく依存していることを意味しています。
ブレンダーは蒸留所を超えた多くのモルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドして一つの作品を造りだすのです。どんな作品が造りだされているのでしょうか。あなたの舌で確かめてみてください。
デュワーズ ホワイト・ラベル
デュワーズの所有者はジョン・デュワーズとサンズ社です。このブレンデットスコッチも所有者の名前が付けられていますね。
デュワーズ ホワイト・ラベルは、漫画バーテンダーで、神戸スタイルのハイボールを作るシーンで取り上げられました。
私のデュワーズとの出会いは飛行機の中、タイエアーで提供されていたウイスキーがデュワーズでした。そして、とあるBARでラスティーネイルをたのんだ時、使用するウイスキーはデュワーズだと言われました。
これらの事から、多くの人に受け入れられ、バランスの良いスコッチだと言うことが分かります。ん?感覚的過ぎる?そうですね…
しかし、実際デュワーズはアメリカでも大人気。確かに多くの人に受け入れられているのです。1896年に鉄鋼王アンドリュー・カーネギーが米国大統領ベンジャミン・ハリソンに樽で献上したことも話題となりました。
モルトの深々とした甘みとかすかにスパイシーな風味を楽しめるスコッチ、デュワーズを初心者のあなたにもお勧めします。
カティーサーク
緑の瓶に黄色地に白い帆船のラベルのスコッチ、それがカティーサークです。あっ、あれか、と思い起こせる人も多くいることと思います。
このカティーサークは、数あるブレンデットスコッチの中でも際立ってライトな口あたりです。この口あたりの軽さはブレンドされているキーモルトによるものと考えられます。
カティーサークにはグレンロセスをベースに、ブナハーブン、ザ・マッカラン、ハイランドパーク、タムデューなどがブレンドされています。なかなか美味しい所のシングルモルトがブレンドされているという訳です。
初心者の中にはストレートでは飲みづらいからハイボールにしたいという方もいると思います。そのままハイボールでも美味しく頂けると思いますが、キーモルトをフロートしてみるのはいかがでしょうか。
シングルモルトのロールスロイスと言われているマッカランをフロートすればシングルモルトへの道も開けるかもしれません。
ブナハーブンはアイラモルトという癖の有るモルトの一つですが、アイラモルトの中ではライトなジャンルに含まれます。そのブナハーブンをフロートすれば、アイラモルトに一歩近づけるはずです。
ザ・フェイマス・グラウス
ザ・フェイマス・グラウスはスコットランドの国鳥である雷鳥がラベルに示されています。
このフェイマス・グラウスは、もともと別の名前だったそうですが、パブで男たちが「あの雷鳥をくれ」と頼むようになったことから、「あの有名な雷鳥」という意味の「ザ・フェイマス・グラウス」という名前になったとか。キーモルトは、ハイランドパーク、マッカラン、ブナハーブン、タムデュー、グレンロセス、ラガヴーリン等々。
これらを含むモルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドした後、更に一年の樽熟成の過程を経るダブルマリッジ製法をとっています。
まろやかで飲みやすい仕上がりは、初心者の皆さんにも気に行ってもらえる事まちがい無し。