モルト原酒がポットスチルで蒸留され集められたアルコールをニューポトと言います。このニューポットはアルコール度数約90度、それが樽に寝かされ熟成する頃には大体アルコール度数60度くらいになっています。
それに加水等してボトリングされますが、大抵の場合アルコール度数が低くても40度でボトリングされます。ブレンデットの中でも38度とか、少なくても30度代後半のものしか見た事がありません。
ですからお酒に弱い人がウイスキーを飲む場合、アルコール度数が低いウイスキーを見つけてストレートで飲む事はまず無理でしょう。それでも皆が美味しがっているウイスキーを飲んでみたい、という方のために少し考えてみました。
ウイスキーボンボン
私の友人で本当に酒が飲めない男がいます。シングルモルトをちょっと舐めさせると、アルコールの味しか解らない、水をくれ~という始末です。しかも大の甘党。
そこまで酒が苦手だと、ウイスキーを飲みたいとは思わないかもしれませんが、どうしても味わってみたいのであれば、一つの手としてウイスキーボンボンなどいかがでしょうか。
探せばシングルモルトのウイスキーボンボンが出ていることも有ります。例えば、トマーティン12年のウイスキーボンボンが内容量10粒で、アルコール分3.6%で販売されていました。
トマーティンはスコットランドのハイランド地方の歴史有るシンモルトですから、ウイスキーボンボンを食べて、トマーティンを味わったと豪語できます。
ウイスキーフロート
どれほどアルコールに弱いのかにもよりますが、お酒に弱い人にウイスキーフロートをお勧めします。ウイスキー好き、特に私はシングルモルト好きなのですが、どうしてもシングルモルトそのままの薫りを、味を楽しんで欲しいという思いがでてしまいます。
ウイスキーフロートはその私の思いを叶えつつ、お酒に弱い人にも逃げ道を与える飲み方ではないかと思います。
作り方は簡単。グラスにミネラルウオーターを注ぎそこにウイスキーをフロートする、つまり水と混ざらないように注ぐのです。
上手くできると、グラスの下は無色透明の水で上方に琥珀のウイスキーがとどまり二層の色合いをたのしめます。うるさい事を言うなら、ウイスキーの薫りと味を十分楽しむため、常温の水を使って欲しいと思います。
大抵のウイスキーは軟水を使っていますから、ミネラルウオーターも軟水を使うとウイスキーとの馴染み方が良いです。
サントリー白州をサントリー南アルプスの天然水にフロートするなら、マザーウオーターで割って飲んでいる事になります。軟水と言いましたが、例外としてシングルモルトのグレンモーレンジなど稀に硬水を使っているウイスキーも有ります。
氷を入れたいという人もいる事でしょう。氷を入れると薫りが発ちづらく味わいを感じ辛くなるのですが、ウイスキーフロートの場合氷を入れ水を入れステアーしてからウイスキーをフロートすると、一口飲んでもウィスキーが水と混ざりにくいというメリットが有ります。
いづれにしても、一口飲んで美味しければそのまま、少しずつ薄まりゆくウイスキーの味を味わい、アルコールが高くてきついと思えば薄めて楽しんで頂ければと思います。
ハイボール
お酒に弱いけど、ビールくらいなら飲めるという人であればハイボールを楽しめると思います。
ハイボールは炭酸でウィスキーの薫りを鼻元まで持って来てくれるので、薫りに拘ってウイスキーを選ぶと面白いと思います。薫りと言いますと好き嫌いは有りますがピートの効いたスモーキーなアイラモルトですよね。
ラフロイグ・クオーターカスクとか、アードベッグ、ボウモア、カリラなどをハイボールで飲んだら、お酒があまり得意じゃない、詳しく無いという人でも、あれ?このウイスキーは他のウイスキーとはちょっと違うぞ、と感じるはずです。色々なウイスキーで試して、それぞれのウイスキーの違いを感じてください。