ピュアモルトとシングルモルトって何が違うの?と聞かれる事が有ります。ウィスキーには色々な種類や呼び方が有るのでちょっと複雑で分かりにくい事が有りますね。
ピュアモルトとは何のことでしょうか。きっと皆さんも、「君はピュアだね。」って言われた事が有りますよね。それってどういう意味ですか?君は純粋だね、という意味です。
純粋なモルトとは?純粋に麦という意味です。ですからピュアモルトとは、麦だけを原料に使っているウィスキーの事を指して使います。
それに対してシングルモルトとは、一つの蒸留所で造られたモルトウィスキーだけをボトリングしたウィスキーを指します。ですからシングルモルトはピュアモルトの中に含まれるという訳です。
しかし、シングルモルトウィスキーを指す時に、ピュアモルトシングルモルトウィスキーとは言いません。何故なら意味が重複しているからです。シングルモルトという言葉の中には、モルトしか使っていないという意味が含まれているのです。
ブレンデットモルト
ブレンデットモルトという言葉の響きに何を感じますか?シングルモルトに対してブレンデットモルト。ん?混ぜものが有る?というマイナスなイメージが浮かぶかもしれません。
しかし、ブレンデットモルトでも麦を原料にしたモルトウィスキーだけを使っているなら、それが例え蒸留所を超えていたとしてもピュアモルトと呼ぶ事ができるのです。
それで、ブレンデットモルトと言うよりはピュアモルトと言った方が響きが良い、イメージが良いので、モルトウィスキーしか使っていないブレンデットウィスキーをブレンデットモルトという事が多いのです。
ザ・シックス・アイルズ
ブレンデットモルトのピュアモルトにはどのようなウィスキーが有るのでしょうか。正直言って沢山有ります。その中の一つ、ザ・シックス・アイルズを紹介します。
ネーミングから推測できますが、6つの島が関係していますね。あっ…ピンときましたね。そう、スコットランドの島です。アイランズモルトは、オークニー島、ジュラ島、スカイ島、マル島、アラン島という5つの島に有る6つの蒸留所のシングルモルトの事でした。
もう一つの島は?そう、言わずと知れたアランモルトのアラン島です。これらの6つの島の蒸留所のシングルモルトをブレンドしたウィスキーが、ピュアモルトウィスキー、ザ・シックス・アイランズです。オークニー島とアイラ島には複数の蒸留所が有りますが、どの蒸留所のモルトが使われているかは公表されていません。
ビッグピート
島繋がりで、ボトラーズのダグラスレイン社から出されているビックピートを紹介します。このビッグピートはアイラ島の4つの蒸留所、カリラ、ボウモア、アードベッグ、ポートエレンのモルトだけをブレンドしています。
特に注目したいのはアードベッグは16年ものを使っている事や、既に閉鎖されているポートエレンのモルトを使っているところです。このポートエレンは1982年から1983年のビンテージが使用されています。
ビッグピートというネーミングからも理解出来る通り、味わいはスモーキー…というか、煙です。この煙の中にポートエレンを探したのですが、私の味覚では…分かった様な、分からなかった様な…はい、分かりませんでしたと言っておきます。このビッグピートもモルトウィスキーだけをブレンドしているのでピュアモルトです。
どんな人にお勧めか
上に挙げたピュアモルトは、特別な趣向を凝らしたピュアモルトなので特にマニアの人にお勧めです。
しかし、蒸留所を超えてブレンドされるピュアモルトは、より美味しく、より一般の人向けに造られている物が多いので、癖の有る物は得意じゃ無いという皆様にも楽しんでいただけると思います。
近所のスーパーでも売っているようなピュアモルトからでも、是非お試しください。