シングルモルトと水には深い関りが有ります。製造過程で使われる水のことをマザーウォーターと呼ぶ事からも製造過程の水の重要さが分かりますね。
日本の蒸留所、山崎、白州、余一、宮城峡も美味しい水が豊富に取れる場所に建造されていることからも水の重要さが伝わって来ます。
チェイサー
BARでシングルモルトを飲むとき、かならずチェイサーつまり水が出てきます。その時バーテンダーは常温でよろしいですか?と聴くことでしょう。
えっ、氷入れてくれないの?と思うかもしれません。もちろん氷を入れたければ入れる事もできますが、バーテンダーがそのように尋ねるのには意味が有るのです。
シングルモルトを飲むとき、人はなぜ水を飲むのでしょうか。それは強いアルコールで疲れた舌をいやすためです。舌の感覚を元に戻して再びシングルモルトの味わいを楽しむためです。
そこで氷の入った冷たい水を飲むと、その冷たさで舌の感覚が元に戻りきらないので、バーテンダーは、常温でよろしいですか、と尋ねるのです。
加水
舌が麻痺するほど強いシングルモルト、特にカスクストレングスなら50度を超すアルコール度数ですから、味を感じにくく思える時も有るかもしれません。
そんな時はチェイサーの水をグラスに注いでみて下さい。あるいは、加水したいので水を下さいとバーテンダーにいうこともできます。強いアルコールの裏に隠れていた味わいが表れてくるはずです。
マザーウォーター
シングルモルトを飲むとき、チェイサーにしても、水で割るにしてもマザーウォーターでそれができれば越したことはありません。
中々全ての蒸留所のマザーウォーターを手に入れることはできませんが、スペイサイドグレンリベットウォーターなるものが売られています。
通販でも購入できます。330mlで300円前後でしょうか。御存知のとおりスペイサイドには、スコットランドに有る蒸留所の半分もの蒸留所が連なっています。
このスペイサイドグレンリベットウォーターは少なくともそのスペイサイドの蒸留所全てにマッチします。何せ同じスペイサイ川から発する水を使っているのですから。
軟水
スペイサイドグレンリベットウォーターは、水としては安くは有りませんね。マザーウォーターが手に入らないし、そうそう高額を出してもいられないという場合、どのような水を選べばいいのでしょうか。
シングルモルトはどのような水で仕込まれるのかを考えるのです。大抵の蒸留所は軟水を使って仕込みます。ですから家でシングルモルトを嗜む時に共にする水は軟水を選ぶと、相性良く楽しむ事ができます。
軟水の中にも色々と種類があり、シングルモルトとの相性がありますし、水によって大なり小なり味わいが変わってきますから、同じシングルモルトを飲みながら水を変えてみるのも面白いかもしれません。
反対に、水としては人気の有るエビアンはシングルモルトとの相性が良くありません。コントレックスは?私の場合ですが…コントレックスを飲むだけで気分が悪くなります。
硬水が使われている蒸留所
ほとんどの蒸留所が軟水を使っている中、グレンチンキー蒸留所やグレンフィデック蒸留所は硬水を使って仕込みをしています。
だからと言って硬水をチェイサーとして使うのが良いかどうかは定かではありません。家飲みをする時に試してみてください。