失礼ながら、サントリーやニッカウイスキーの陰に隠れている、キリンの富士山麓というウイスキーを御存知でしょうか。聞かれれば、ああ知っているとか、見た事あるという人も少なく無いはずです。
良く観察すれば、近所のスーパーなどでも売っていたのを見ていたかもしれません。
キリンは1972年に独自のウイスキー哲学と製法、そして技術をもつアメリカのシーグラム社、そしてイギリスのシーバスブラザーズ社と合弁社を興し、日本人好みの味わいを追求する日本での蒸留所建設にむけて、プロジェクトをスタートさせました。
富士山麓蒸留所
ウイスキーを造るため蒸留所を建てる場所には気を使います。澄んだ綺麗な軟水を取れる川を含め、良い空気など樽を寝かせる環境もウイスキー造りには大事なのです。
ウイスキー富士山麓を生み出している富士御殿場蒸留所はウイスキーを造る際、富士が生み出す豊富な伏流水を使っています。
富士山は過去に3度の大きな火山活動があったことから、山の中に異なる地層があり、地下水をろ過するのに優れているのです。
富士の伏流水は、長い年月をかけて水の循環を繰り返し、不純物を取り除き、良質のミネラルうぃ含んだ口当たりの良い軟水です。加えて、この軟水は有機物が非常に少なく、異味異臭がありません。
富士山麓樽塾原酒50°
富士山麓樽塾原酒50°はモルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドして作られたブレンデットウイスキーです。
そしてノンチフィルタード製法を用いています。アルコール度数50°ということですから、60度近くのアルコール度数の有る樽の中の原酒を50度にするために少しの加水をします。ノンチフィルタード製法という訳ですから、冷却濾過をせず常温での濾過をしています。
そのため香味成分がほとんど除かれません。この富士山麓樽塾原酒50°の製造スタッフたちは香りを?香りも?楽しんで欲しい様です。
ラインナップ
以前は安価なラインナップの富士山麓が販売されていました。皆さんもきっとこの富士山麓を近所のスーパーや酒屋で見かけたのでは無いかと思います。
加えて、栓にコルクが使われていたり、シュリンクフィルムも1つ1つ巻かれた上に手作業で空気除去が行なわれている、高級志向で造られていた富士山麓シングルモルト18年も販売されていました。
しかし残念ながら今販売されているのは富士山麓樽塾原酒50°だけです。製造側の理念として、美味しいウイスキーを、低価格でという目標のもとに製作されたという製作秘話が有るそうです。
大抵、50°程あるカスクストレングスですと、5,000円は下りません。10,000円前後するものも有ります。ところが、ブレンデットウイスキーではあるものの、富士山麓は1,600円程度で購入できるのです。
これまで富士山麓を飲んだ事が無いのであれば、試しに飲んでみるのはいかがでしょうか良い出会いになるかもしれません。