とある街の小さなBARに行きました。拘りを持ったバーテンダーが一人で切り盛りしているBAR。カウンターしかなく、10人も入れないようなBARです。
シングルモルトも幾つか並んでいて、そのラインナップから拘りを感じるのですが、どれも見覚えの有るもの、買った事の有るものしか並んでいないのです。
そんなにお金を出せない近所の常連に美味しいシングルモルトを安く提供したいというバーテンダーの拘りを感じさせるラインナップでした。
しかし、ケチな私は、自分で買える程度のシングルモルトをBARでお金を出して飲みたくないと思い、話の流れでハイボールを飲む事になったのです。
トリスのハイボール
トリスでハイボール作れますよ、値段は500円というバーテンダー。じゃあそれ下さい。このトリスねー、旧ボトルなんですよ。
ボトルデザインが変わるって聞いて、買えるだけ買い占めました。トリスに全く興味の無い私は、へ~と気の無い返事。
ところが、そのハイボールを飲んだ瞬間、テンション急上昇!美味いのです!トリスに拘りの無い私がトリスの旧ボトルの味にテンション上げる訳はありません。バーテンダーのハイボールの作り方が良かったのです。
基本
ハイボールはウイスキーと氷と炭酸水のコラボレイションですから、それぞれの良さを引き出す方法を考えれば良いはずです。
まずウイスキーと氷を馴染ませる為に、グラスに氷を入れウィスキーを入れた後に良く混ぜます。その後に炭酸水を入れますが、その時も炭酸ガスが抜けないようにする為、氷に炭酸水が当たらないようにグラスに炭酸水を当てて注ぎます。
それからマドラーで軽くステアーします。ステアーは、炭酸水を入れた時点で有る程度混ざっているので、縦に一回混ぜるだけで十分です。少し気を付けてハイボールを作るだけでも美味しさが替わります。
キーモルト
シングルモルトファンの方の中には、ハイボールなんて飲みたく無い。シングルモルトを飲むならストレートか少なくともトゥワイスアップが良いと言う人は少なく無いと思います。
私も大抵ストレートかトゥワイスアップで飲みます。それでもこれは面白いと思えるハイボールの作り方が、ブレンデットウィスキーのハイボールにキーモルトをフロートしたハイボールです。シングルモルトは大抵の場合ブレンデットウィスキーを作るモルトウィスキーとして出荷されています。
その中で軸となるモルトウィスキー、つまりキーモルトと言われるモルトウィスキーが出てきます。例えばバランタイン17年は40種類のモルトウィスキー、グレーンウイスキーがブレンドされているようです。
しかしその中で軸と成っているキーモルトには、アードベッグ、バルブレア、グレンカダム、スキャパ、プルトニー、ミルトンダフ、グレンバーギが有ります。
そこで、バランタインでハイボールを作った後、キーモルトをフロートするのです。アードベッグが好きなあなたはアードベッグのスモーキーな薫りを嗅ぎながらバランタインのハイボールを、ミルトンダフが好きならそれを楽しみながらハイボールを楽しめるのです。ブレンデットとキーモルトの関係を知る勉強にもなります。
シングルモルトの特徴を引き出す
シングルモルトの味わいには様々な特徴が有ります。その味わいを知りその味わいを引き出す、あるいは利用する物を加えてハイボールを作る事も出来ます。
私がBARで飲んだトリスのハイボールにはレモンが絞り込まれていました。変わり種としてタリスカーのハイボールを紹介します。潮の薫りとピート香のする、男性的なシングルモルトに何を入れると思いますか?
胡椒です!えっ?うそ?本当?…本当です。お試しあれ。