ウイスキーはお好きでしょ、もう少ししゃべりましょ~なんていう優しい歌につられて、何も知らずにウイスキーをいきなり飲むと咳き込むほどウイスキーのアルコール度数は強いですよね。
何故ウイスキーのアルコール度数は高いのでしょうか。一番アルコール度数が高いウイスキーは何ですか。アルコール度数が高いと何が起こりますか、メリットがあるのでしょうか。
ウイスキーのアルコール度数の秘密に迫りましょう。
ウイスキーのアルコール度数が高い理由
それは造り方に有ります。お酒には醸造酒と蒸留酒が有ります。簡単に言いますと醸造酒は原料を酵母によりアルコール発酵させたお酒の事を言います。
米をアルコール発酵させたものは日本酒、ぶどうをアルコール発酵させたものがワイン、麦をアルコール発酵させたものがビールになる訳です。
それに対し蒸留酒とは醸造酒を熱し、蒸発させた物を集めたお酒を言います。ウイスキーはこの蒸留酒なのです。ウイスキーの場合はポットスチルという機材を使い2回から3回蒸留させます。
気体を蒸発させるとき、沸点の低いエタノールが水よりも早く気化してきます。この蒸気を集めて冷却し液体に戻すとアルコール度数の高い酒ができます。
その時のアルコール度数は90度程と言われていますが、その後樽に寝かされアルコールが蒸発したり、科学で解明されていたり、いなかったりする現象が樽内で起き、アルコール度数が徐々に落ちて行き大体60度前後に成ります。
このような工程で造られているのでアルコール度数が高いのです。
他のお酒と比べるとどれほどアルコール度数が高い?
日本人が一般に飲んでいるお酒と比べるとアルコール度数はかなり高いですね~ではざっくりしすぎですよね。
現在一般に売られているウイスキーの多くは40度から43度程の物が多いでしょうか。少し強めの物で46度程度の物もあります。
それを踏まえて考えますと、焼酎の約2倍、日本酒やワインの2倍以上のアルコール度数、ビールの10倍というところでしょうか。
ですから、みんなでワイワイ飲むというよりは、友人や家族との会話を楽しみながらも、しんみりとウイスキー自体と向き合いながら楽しむお酒と言えるかもしれません。
一番アルコール度数の高いウイスキーとは
現在一般に売られているウイスキーは原酒に加水して度数が調整され40度から43度あるいは46度程度で販売されています。
しかし、シングルモルトウイスキーの中に、カスクストレングスと言う、一つの樽から直接瓶詰めしましたよ、というウイスキーが有ります。
このカスクストレングスの多くも加水調整して有りますが、一般のウイスキーよりアルコール度数が高く、物によっては60度以上の物も売っています。
しかしそれらのウイスキーが定番としていつも売られているという訳でも無いので、今現在販売されているウイスキーで一番アルコール度数が高いウイスキーは何か?という質問には直接お答え出来ません。
それでもカスクストレングスというワードでネット検索すると、アルコール度数の高いウイスキーに出会えます。
ボウモアテンペスト
これは一年に一度出されているボウモア10年のカスクストレングスです。度数はその年の樽によっても違いますが、56度前後です。
度数が高くてもそのアルコールに負けない味わいが有ります。また、一樽から瓶詰めするので、樽の個性が出て毎年違う味わいを楽しめるのが嬉しい一品です。
アルコール度数が高いと何が起きるか
アルコール度数が高いのに飲みすぎた…という事以外は良い事いっぱいです。アルコール度数が高いと味の違いがはっきりします。
それほどウイスキーに拘りが無く、何となくウイスキーを飲んでいる人にとっては、ウイスキーの味って…あ~、あんな感じみたいな感覚が有るかもしれませんが、1つ1つのウイスキーには明確な個性があり、アルコール度数が高いゆえにその個性が見えやすいのです。
更にアルコール度数が高いので色々な飲み方を楽しめます。上で紹介させて頂いたカスクストレングスの中には、アルコール度数が高すぎて味わいが伝わりづらく感じる物もあります。
そんな時、水を数滴加えただけで強いアルコールの裏に隠れていた味わいが出てきて、ウイスキーの新たな世界が広がるのを感じます。
ツゥワイスアップと言い、ウイスキーと水を同量入れて飲む楽しみ方も有りますし、ここ数年ハイボールなるものも流行っていますが、そのように何かで割って楽しめるのもアルコール度数が高いゆえなのです。
カクテルにした場合にも、個性的なウイスキーであればその個性が明確に出ますよね。これらがウイスキーのアルコール度数が高い事のメリットです。