山崎蒸留所の創設から50年目の1973年、新しいモルト原酒づくりを志してサントリーホールディングスの二番目の蒸留所、白州蒸留所が造られました。
山梨県の北杜市白州にある白州蒸留所は豊かな自然に囲まれています。北に八ヶ岳、西に甲斐駒ヶ岳を戴き、深い森と幾多の清流に囲まれた白州蒸留所は、「森林公園工場」というコンセプトの下、自然との調和を最優先に建設されました。
ニッカウヰスキーの余市蒸留所と宮城峡同様、サントリーホールディングスも二つの蒸留所を所有することで、ブレンドの幅を広げる事ができ、より良いブレンデットを世に送り出しやすくなりましたし、何よりもシングルモルト白州を発表する事が出来ました。
白州蒸留所見学
私は友人たち家族と一緒に白州蒸留所の見学にでかけました。サントリーホールディングスの言うとおり、森林公園工場といえる工場でした。
ガイドが蒸留所を案内してくれるのですが、他の蒸留所同様、ウィスキーを造る工程順に見学して行きます。どの蒸留所でもポットスチルは機材の中でスター的な存在になっていますが、私が白州蒸留所で注目した機材は大きな木桶です。
ウィスキーを造る過程で、麦汁を発酵槽に移して酵母を加える作業が有ります。そこで酵母がアルコールと炭酸ガスと香味成分を生み出します。
それが発酵です。白州蒸留所ではこの発酵槽に木桶を使っているのです。特に白州の自然条件を活かした木桶発酵槽は温度管理が難しい反面、保温性にすぐれ、しかも蒸留所内に棲みつく自然の乳酸菌などの微生物が働き、爽やかなのに味わい深い白州独特の風味を生み出すと言われています。
また見学の際に樽をチャーしているところを見る事ができたのも嬉しかったです。ウィスキーは長い年月樽に寝かせる訳ですが、樽の内側の成分がウィスキーに馴染むように、樽の内側をバーナーで焦がす事をチャーと言います。
なかなか見ることのできない樽の内側を見る事が出来ましたし、作業工程をエンターテイメントとして見せる白州蒸留所はなかなかやるな!と思いました。
シングルモルト白州を楽しみながら食事もできるのですが、森林に囲まれたテラスでの食事は爽やかなもので、お酒を飲めない家族でも楽しめると思います。
仕込み水
白州の良質な水は、大自然の営みだけが造り出せる天然水です。南アルプスの山々をくぐり抜け磨かれてきた水はキレのいい軟水で、シングルモルト白州の仕込み水となっています。
サントリー南アルプスの水、というミネラルウォーターを飲んだ事がありますか?シングルモルトウィスキー白州はその南アルプスの水を仕込み水として使っているのです。
この水が白州のマザーウォーターかと意識しながら、南アルプスの水を飲むとまた違った味わいに成るかもしれません。シングルモルトマニアの中には、自分の好きなシングルモルトを美味しく飲む為に、そのシングルモルトのマザーウォーターを手に入れようとする人たちがいる様です。
まさにサントリーは、シングルモルト白州と白州のマザーウォーターを売り出しているわけですから、白州を南アルプスの水で割って飲むならマニアの夢を簡単に手に入れる事ができます。
ラインナップ
シングルモルト白州のラインナップは、サントリー白州、白州12年、18年、25年が有ります。
また、数量限定で販売する商品も時々出します。例えばスモーキータイプの原酒のみを厳選してヴァッティングした、白州ヘビリーピーテッドが販売されたりシェリー原酒のみを厳選してヴァッティングした、白州シェリーカスクを発売しました。
白州ヘビリーピーテッドは、爽やかに突き抜けるピートを感じ、アイラを超えた!と思いました。