ピュアモルト、実は意外と定義が曖昧。
世界中のウイスキー愛好家の間で親しまれているモルトウイスキー。日本でも愛好家は多く、『山崎』や『白州』、『竹鶴』や『余市』など、ウイスキーをあまり飲まない方でも銘柄の名前は聞いたことがあるのではないでしょうか。
そんなモルトウイスキーですが、呼び名に違いがあるのをご存知ですか?
例えば、『山崎』や『余市』はシングルモルトウイスキーです。『竹鶴ピュアモルト』や『ニッカ ピュアモルトレッド』は、その名の通りピュアモルトウイスキーと呼ばれています。このシングルモルトとピュアモルト、いったい何が違うのでしょうか?
ということで、今回はピュアモルトとシングルモルトの違いについて書きたいと思います!ウイスキーを始めた方も、これを知ればよりウイスキーを楽しめるはず。まずは、モルトウイスキーについておさらいしましょう。
モルトウイスキーとは?
大麦を原料としたウイスキーの呼び名で、蒸留所の場所によって商品表記に関する定義が国ごとに違いがあります。大麦麦芽(モルト)のみを原料とし、単式蒸留釜で2回から3回蒸留させたもの。少量生産に適している方法で製造されるのが特徴です。
簡単に説明すると、モルトウイスキーは大麦麦芽(モルト)を原料にしたウイスキーということです。次は以前も紹介したシングルモルトの定義を。
シングルモルトとは?
同一の蒸留所内で製造されたモルト原酒をブレンドさせて作られたウイスキー。『山崎』や『白州』のように、蒸留所の名前をそのまま冠したウイスキーが多いので、どこが由来なのか分かりやすいです。
じゃあ、ピュアモルトは?
それでは、ピュアモルトはどういったウイスキーを指すのでしょうか? 実はピュアモルトウイスキーという呼び名は、日本で使われている名称で、世界ではあまり使われていないようです。
しかもモルトウイスキーの総称を指す場合と、モルトウイスキーのブレンド方法を指す場合の2つがあり少し複雑です。
昔は『山崎』もピュアモルトという呼び名で売り出されていたこともあり、シングルモルトに特別感のあるイメージを付けるために使われていたとか。
現在は、ブレンド方法の一種として使われることが多くなりました。国外ではこのような他の蒸留所の原酒をブレンドしたものは、ヴァッテッドモルトウイスキーやブレンデッドモルトと呼ばれています。
『竹鶴ピュアモルト』のオフィシャルサイトなどで紹介している“ピュアモルト”は、異なる蒸留所で製造されたモルト原酒を、ブレンダーがヴァッティング(モルトウイスキー同士を混和すること)したウイスキーを指します。ニッカは、この定義でピュアモルトウイスキーを数種類リリースしています。
竹鶴ピュアモルト
- アルコール度数 43度
- 容量 700ml
- 参考小売価格 ¥3,000
竹鶴17年ピュアモルト
- アルコール度数 43度
- 容量 700ml
- 参考小売価格 ¥10,000
竹鶴21年ピュアモルト
- アルコール度数 43度
- 容量 700ml
- 参考小売価格 ¥15,000
竹鶴25年ピュアモルト
- アルコール度数 43度
- 容量 700ml
- 参考小売価格 ¥70,000
ピュアモルトといえば、TVドラマ『マッサン』でも話題になった『竹鶴』。ウイスキーとしての評価は高く、『山崎』のように原酒不足による価格の高騰などもないため、相対的に値ごろ感がありますね。
ニッカ ピュアモルト ブラック
- アルコール度数 43度
- 容量 500ml
- 参考小売価格 ¥2,000
ニッカ ピュアモルト レッド
- アルコール度数 43度
- 容量 700ml
- 参考小売価格 ¥2,000
ニッカ ピュアモルト ホワイト
- アルコール度数 43度
- 容量 700ml
- 販売終了
ニッカは『竹鶴』の他にも、シンプルなラベルのピュアモルトシリーズをリリースしています。ホワイトは残念ながら販売が終了してしまっているのですが、ブラック、レッドは今も販売されています。
このシリーズはとても人気が高く、値段も少し高騰気味、もし近所のお店で参考小売価格で売っていようものなら即買いをおすすめします。
まとめ
いかがでしたか?
微妙なネーミングの違いで製法も変わり、味わいも変わってきます。この記事で、ウイスキーをより楽しんでもらえたら幸いです!